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他人の妻として【01】

他人に妻の体を与え、その二人が私の目の前で体を重ねあったあの日から、1ヶ月程が経ちました。
その間に季節も晩秋から初冬へと移り変わり、慌ただしいクリスマスの時期も間近に迫っています。

そんなある週末の午後、私はリビングのソファーに座りながら、寝室の中で外出の準備をしている妻を待っていました。
私達と岩崎の3人は今日、二度目の機会を設けたのです。

伊豆にある温泉ホテルに泊まり、私の傍らで由香里は岩崎の「一夜妻」として夜を過ごします。
そんな彼女は今、独りきりの寝室の中で、体を委ねる相手に会うための準備をしてるのです。
どんな気持ちで… どんな光景を想いながら…

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由香里はそんな自分の姿を私に見られたくないのでしょう。
既に一度、夫である私の目の前で他人と交わった体験を経た彼女だからこそ感じる恥じらいなのかも知れません。

逆に、それだけ妻が岩崎に想いを寄せている証拠なのでしょうか。
私は彼女の羞恥によって心を掻き乱され、自らが招いた嫉妬に打ちひしがれながら彼女を待っているのです。

今回、予約した部屋は一つだけ… 前回のように、妻と岩崎から離れて私が一人になる部屋はありません。
逃げ場の無い空間と時間の中で、他人に与えた妻の傍らに2日間も寄り添えるのだろうか… 私はそのことが不安だったのです。

やがて寝室のドアが開き、中から妻が出てきました。

黒のショートコートに鮮やかな白のスカート… 秘めた淫らな願望を隠すかのような清楚で凛とした装いが、愛する由香里の姿を際立たせています。

「待たせちゃってごめん…」
「ううん… じゃあ… 出掛けよう…」

私は、旅先で他人と一夜を過ごす由香里の横顔に、不意に出会った美しい人妻のような艶めかしさを感じたのです。

私達は、岩崎と待ち合わせしている都内の駅に電車で向かいました。
駅前で合流し、伊豆のホテルまで彼の車で出掛けることにしています。

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「もうすぐ電車が来るよ… 急ごう…」
「うん…」

人の行き交う駅のコンコースで、私は由香里をせかしました。彼女は家を出てから私と目を合わせようとしません。
お互いがそれぞれ今夜の時に想いを秘めながら、不貞と背徳を繰り返す躊躇いを断ち切るように、駅の改札を通ったのです。

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他人の妻として【02】

電車の中で妻は、心が落ち着かないのか時計を気にしたり、車内の吊り広告に目を向けたりしていました。

あの日から妻と岩崎は、何度かメールの交換をしています。
もちろん、私が認めた上でのことです。
決して妻の前で寛大さを装っているわけではありません。
むしろ、その逆なのです。私の知らない、見えないところで彼女と岩崎の関係が深まることを恐れているのです。

岩崎との約束の場所に向かう妻の落ち着かない仕草が、私にはあの日以後に2人だけの関係が無いことの証に思えました。

約束の駅で降り、混雑したコンコースを抜けて、待ち合わせ場所のロータリーを探しました。

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「川島さん」

岩崎が人混みの中から私達に声をかけました。
彼と会うのは1ヶ月ぶりなのですが、その時間の経過を感じることはありませんでした。
あの日から私は、1日たりとも彼の存在を忘れたことなどなかったからです。それは妻にとっても同じ筈です。

「こんにちは…」

妻は目を伏せたまま、岩崎に小さく会釈をしました。あの夜、幾度かの淫らな交わりをし、その後、メールのやりとりをしながらも、再び会う彼に相応しい言葉が見つからなかったのでしょうか。
あるいは、私に対する彼女なりの遠慮なのかも知れません。

「由香里さん… また逢えると思って、ずっと今日を待ち焦がれていました…」

妻は顔を上げて岩崎を見ると、安心したような微かな笑みを浮かべたのです。
まるで彼が初恋の相手でもあるかのように…

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「岩崎さん… 約束どおり、旅行の間は由香里を妻と思って接して下さって構いませんから」
「判りました」

彼は由香里の鞄を持つと、彼女の背に手を添えて駐車場へと案内します。私は二人の後ろ姿を見つめながら、次第に早まる鼓動の早まりを感じていました。
私の妻は、今の瞬間から岩崎のあらゆる欲望を受け入れる一夜妻となったのです。

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他人の妻として【03】

私達は駅ビルの地下に駐車している岩崎の車に乗りました。
黒いワンボックスのアメリカ車は威風として、彼の車に相応しい存在感を漂わせています。

「いいんだよ… 岩崎の隣で」
妻を彼の横に座らせ、自分は後ろの席に乗り込みました。

車は週末の都内の道路を抜け、首都高速から東名高速へと向かいます。

私はドアに寄りかかったまま、車内のスピーカーから流れるFMの曲をぼんやりと聴きながら外の景色を眺めていました。

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「え? そうなんですか? この曲って…」
「知らなかった? あの曲と同じバンドだよ」
「だって、歌い方が違う感じだし…」
「この曲だけボーカルが別だから」
「じゃあ判らない筈だよー」

次第に妻の心も解きほぐれ、笑みを浮かべながら岩崎との会話を続けています。
あの日、私の前で淫らな行為に溺れながらも、今日、岩崎と会った時の彼女の緊張は、願望と恥じらい、期待と不安が交錯するものだったのかも知れません。

私は妻の様子に心なしか安堵しました。

それでも彼女は、私に背後から二人の様子を監視されているような重圧を感じているのでしょう。時折、後ろにいる私を気にする仕草をします。

途中、サービスエリアで一度休憩をとり、その後、バイパスと観光道路を経由して伊豆に入りました。

妻は車の中で、私と岩崎との共通の話題を見つけようと、ラジオの曲や車外の風景について話を振ります。
普段は物静かな彼女にしても、私と岩崎の間で会話が途切れることの息苦しさから逃れたかったのでしょう。

確かに、私と岩崎との接点は、「寝取り」と「寝取られ」の関係だけ…
彼の詳しい素性を知っているわけではありませんし、それ以上に私達のことを知られたくありません。
二人の男が妻を巡って、それぞれの欲望と性癖を満たす目的と打算で成立した特殊な関係なのです。

妻はその事に少なからず後ろめたさを感じているのでしょう。たとえ夫の願望ではあっても、最終的に行為を受け入れる決心をしたのは自分自身だと思っている筈なのですから。

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海沿いの道路から見える海は、初冬の夕暮れの中で灰色に染められています。次第に周りの影は長くなり、見えない何かに急かされているような焦りが私の口数を減らします。

さっきまで私や岩崎に話しかけていた妻も、今はただ無言のまま暮れる車外の景色を眺めているのです。

「さあ、着きましたよ、ここです」

木立が急に開け、その奥に白い壁のホテルが見えました。この界隈でも有名な温泉ホテルのようで、館のような建物は老舗としての風格を漂わせています。
岩崎は車を脇の駐車場に停めました。

彼は妻のバッグを持ち、フロントへと向かいます。
その後を追うように、私と由香里は言葉を交わすこともなく並んで歩きました。

妻と二人だけの時間は今の一瞬しかない…
中に入ったら、もう岩崎の妻なんだ…

岩崎と由香里にとって二度目の一夜でありながら、この時の私は初めて妻を彼に委ねた日以上に心が揺れていたのです。

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一度目は、由香里が岩崎と交わる現実感への拒絶が心の中にありました。
妻が行為の後に激しく後悔することへの不安や、自分自身への葛藤が、二人が重なり合う姿を目の当たりにするまで、その感情を麻痺させていたのでしょう。

でも、二度目の今回は違います。
妻自身が、夫の前で他人に抱かれる行為の背徳を受け入れた上で、夫婦の関係だけでは満たせない性の悦びがあることを知ったのです。

それは私自身が願ったことでありながら、彼女の中で岩崎の存在が次第に大きくなることへの恐れでもありました。

フロントでチェックインの手続きをしている岩崎の後ろ姿は、私の心など気にもとめずに、全てを彼の思惑で進めているかのようでした。

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プロフィール

川島 ゆきひと

Author:川島 ゆきひと
夫である私の見ている前で他人と体を重ね合わせ、すべてを受け入れる妻の姿…
夫である私にすらまだ見せたことのない露わな妻の姿…

30代になった私たちが寝取られや夫婦交換で体験した様々な出来事、いろんな方との出会いを、このブログに書きたいと思います。

私の詳しいプロフィールについては、こちらをどうぞ








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